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みずほ銀行は潰れるのか?銀行員の取りうる道を業績や環境から解説

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みずほ銀行は潰れるのでしょうか。

一時期全盛を謳歌した金融業界ですが、その置かれた環境が近年厳しくなってきているのは新聞でもニュースでも耳にタコができるほど報道されており、周知の事実。

 

が、その中でも(なぜか)みずほ銀行への批判がきつくないでしょうか?

日本のメガバンクの一角を担うみずほ銀行に対して、「業績が厳しい」とか「潰れる」「メガバンクから外れる」などのマイナスイメージがにわかに沸き起こっている現状があるようです。

 

 

-世間が「みずほオワタ」と思っている-

 

これに僕が気づいたのは3ヶ月ほど前。

こういったサイトを作っておりますと、読んでくださる皆さんが"Googleでどういう検索をして自分のサイトに訪れてくれてくれているのか"を分析することが可能です。

「みずほ銀行 潰れる」

とGoogle検索をすると、メガバンクや金融関連の内容が多い僕のサイトがヒットし、(みずほ銀行のページは特には用意していなかったんですが)いくつかのページに目を通してくださっているようでした。

 

そう。

世の中の多くの人がGoogleの検索欄に

みずほ銀行 潰れる

と打ち込んで何かを検索しているのです。

 

三菱UFJや三井住友にはこういう事例はありませんでした。

みずほだけです。

 

みずほ銀行が本当に潰れるのかを調べているのか、みずほ銀行が潰れて欲しくてそう検索しているかは定かではありません。

が、日本の多くの人がみずほ銀行に業績面で何らかのマイナスイメージを抱いている様子が確認できます。

 

しかし、一体みずほ銀行の何が良くないのでしょうか?

具体的にどこがイケていないんでしょうか?

 

今回の記事では、みずほ銀行の何が世間にそう思わせているのかについて、金融業界で長く仕事をしている経験から詳しく解説してみようと思います。

同時に、その現状を踏まえてみずほの社員はもちろんのこと、メガバンクの行員や金融業界で働くエリート社員たちの取るべき道を解説していきます。

 

 

 

 

1.銀行業界を取り巻く環境の悪化

 

金融業界の環境はあまり良くはないです。

まずは業界全般の状況をおさらいしておきましょう。

 

手数料が稼げない

ネットバンキング決済が増えてきたことで、より銀行店舗に行く人が少なくなってきています。

これ自体は事務負担軽減ということでそもそも銀行自体も推進してきた面があり想定内です。とは言え店舗縮小に着手する上で一時的とはいえ縮小費用がかかります。

 

むしろ銀行が嫌がっているのは、決済手段を他サービスに乗り換えられること

これまでお金を誰かに振り込んだり移したりといった資金移動(トランザクション)は、銀行のインフラが不可欠でした。

 

ところが、すでに例えば楽天ペイとかLINEペイではアカウントがあれば相手に送金することが可能です。

現金に換えられないので、法定通貨を送っていると言えない面がありますが、「価値を送付する」という行為が銀行以外にこれまでできなかったことを考えると、随分と進歩していると言えます。

ビットコインなど仮想通貨は海外送金も簡単にできると言われており、銀行と海外の銀行の連携により稼いでいた膨大な手数料が稼ぎにくくなります。

 

要するに決済手段が多様化しているので、銀行口座なしでも、銀行のこれまでの金融インフラに頼らなくても生きていける時代が到来しつつあります

となれば、給与振り込みの手数料、振り込みや入出金といったトランザクション系手数料が稼ぎづらくなっています。

 

新興フィンテック企業や巨大IT企業の参入

新しいテクノロジーを使った新興企業の業界参入があります。

新テクノロジーの台頭はどの業界でも起こっていることだと思うのですが、新しいテクノロジーを擁して金融業界に参入してくる企業をフィンテック企業と呼んでいます。

特に金融業界へ参入するフィンテック企業は特に多いです。

なぜなら、金融業界はオイシイからです。

 

電車に乗らない人がいても、ものを買わない人はいないです。

つまり電車というインフラを使わなくても生きていけますが、お金やそれにまつわるインフラを使わずに資本主義に生きていくことは難しい。

つまりお金は誰もが使いますし、使うと「資金の移動」「決済」がそこに必ず発生しますよね。

 

どういう人がいつ、どこで、どういうものを買ったか

というデータが今注目を浴びています。

なぜならこれらを分析、活用すればマーケティングに使えるから。

 

誰がいつ何を買うかを予測できれば、そこにダイレクトにアプローチできますし、在庫や生産をニーズに合わせてコントロールできる。

 

つまり実はお金の動きを知る事は、すなわちビジネスの拡大や効率性をアップすること

お金の動きという情報は価値が高いのです。

 

そういうわけで資金移動のデータ、購買データ、決済データを持っていると強いのです。

だから〇〇ペイは決済データ収集が出来るから色んな業者が参入するし、アマゾンはデータアナリティクスとAI予測を強化するために金融に進出したいのです。

 

要するにそういう決済データが欲しくて、金融や決済にまつわる分野への参入は、みんなが虎視眈々と狙う分野です。

だから、金融分野は激戦区なのです。

 

その意味で、決済インフラという既得権益を次第に侵食される銀行としては収益源が厳しくなっていきます。

 

 

 

セールスでの収益が取りづらくなってきている

何と言ってもマイナス金利の影響で主力の融資で利ザヤが稼げないのが最も痛いです。

その上、例えばかんぽ生命の事件に見られたような「過度なノルマ営業」に対する世間の風当たりが強く、それで収益を稼ぎにくくなっていることも痛いです。

 

過大すぎるノルマが不正な書類改ざんや不適切な売買を客にさせてしまう事例が金融業界で起こったこともあり、顧客の立場に立った業務してくれとずっと言っている金融庁がますます

ノルマはダメでしょ

という圧力を日に日に強めている状態。

 

こういう背景があり、近年は「収益ノルマの撤廃」を発表した銀行や証券会社が相次いでいます。

 

確かに収益ノルマが撤廃されると、営業マンは少しホッとしたでしょう。

ただ、銀行も営利企業。

ノルマの完全撤廃した企業は「業績は惨憺たる結果になった」と業界関係者。

 

稼ぐということと、お客さんの満足、営業マンのプレッシャーなどのバランスを慎重に探っていく動きは今後も継続していくことでしょう。

 

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2.みずほ銀行の直近の決算

 

金融業界を取り巻く環境が厳しいことを解説しました。

とは言え、これは業界全般に言えることですし、どれもみずほだけが「倒産」とか「潰れる」という理由にはなりません。

 

 

みずほ銀行ヤバい…

 

と、皆さんがそう思っているのですから、一旦みずほ銀行を束ねるみずほフィナンシャルグループ(以下みずほFG)のこれまでの業績を数字で見てみましょう。


まずは一般企業の売上に相当する「経常収益」の推移です。

みずほFG 経常収益(≒売上)

 

みずほFGの直近の4年間の推移をみると、意外にも増収です。

直近の2019/3期(2018/4~2019/3)は、約3.9兆円です。

 

では売上から経費や法人税などを除いて残った「当期純利益」を見てみましょう。

みずほFG 当期純利益


売上とは逆に、減少トレンドであることが分かると思います。

 

特に直近の2019/3期(2018/4~2019/3)は特に大きな減収となっています。

この大きな利益の目減りは、メディアでも騒がれましたが、巨額のシステム減損が要因です。

 

 

3.みずほの巨額損失の原因・背景

 

2019/3期に最終利益が大きく落ち込んでいる要因は、システムの巨額の減損処理です。

その規模は5,036億円です。

 

お悩みビジネスマン
減損って何ですか?5,000億円って巨額ですね...

多くの方が5,000億という額に大きなインパクトを感じて、

よくわからないけど、みずほ何だかやばそうじゃん!

と思われたでしょう。

 

そもそも、この減損とは何なのか。

実はこれ自体は、あまり気にするものではないし、業績面に悪い影響を及ぼすものでもないです。

順番に解説していきます。

 

みずほのバラバラなシステム

みずほはその統合の歴史から随分とシステムには悩まされ続けてきました。

 

以下のように、今のみずほ銀行は元々は3つの銀行が合併してできたもの。

みずほの合併の歴史

 

他のメガバンクでは見られなかったことですが、みずほの出来上がりは3行の力関係や権力が均等になるようにバランスを取った上で行われた、まさに対等な合併でした。

しかしそれが裏目に出てしまいます。

権力争いですね。

 

三菱UFJは、三菱が最も強大な権力を握ることで(涙を飲んだ行員は多かったのでしょうけど)少なくとも合併後の秩序はうまく保たれました。

 

しかし、みずほは不毛な主導権争いを20年やっていると言われます。

現在のみずほ銀行の姿になる前に、コンシューマー業務を中心とした旧みずほ銀行と、コーポレート業務を中心としたみずほコーポレート銀行に分かれた時は、
業界は「??!」と言葉にならないほど狼狽しました。

 

そしてみずほの不毛な争いはシステム面にも出てしまいます。

第一勧銀が使っていたのは富士通のシステム。富士銀行はIBM製、日本興業銀行は日立製のシステムでした。

主導権や大人の事情から、これらを一本にまとめることが出来ずに、なんと3社の製品が入り乱れる形を採ってしまったのです。

 

システムの統合は難しいものですが、違うシステムをうまく連携させるのはもっと難しいもの。

それで2002年4月1日、新銀行の発足当日に大規模なシステム障害を起こしましたし、2011年3月15日の東日本大震災の直後、再びシステム障害を発生させてしまいました。

結果論ですが、起こるべくして起こった事故とも言えます。

金融庁からは業務改善命令という痛い罰も下りましたし、泣きっ面に蜂です。

 

 

 

システム統合プロジェクト

こりゃいかん!

ということで、3つのトップと2つの銀行という形に限界を感じ、みずほは2013年に新しく現在のみずほ銀行の形となります。

 

One MIZUHOだ!

2012年にはこう掲げて、新システムを構築することが発表されました。

これまでバラバラで乱立しているシステムを完全統一させようという、非常に厳しくて難しい巨大プロジェクトが発足します。

 

当初の計画ではシステムの刷新に4,000億円を投じる予定でスタートしました。

新システム名は「MINORI」。

ベンダーも含めピーク時8,000人もの人員が関わっており、世界最大のシステム開発案件とも言われます

 

システム統合などすでに終えている他のメガバンクから周回遅れの実態の中、巨額の資金を投じたシステム移行は、まさに社の命運をかけた一大プロジェクトでした。

みずほ社内では「次期システム」を略して「ジキシス」と呼ばれていますが、まさに近年のみずほの業務は、寝ても覚めてもこのジキシス三昧だったようです。

 

そして構想から7年。

この巨大プロジェクトは、2019年7月にようやく完了したのです。

 

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システムの減損

話を戻しますが、みずほの約5,000億円の減損とはなんだったのでしょうか。

 

システムなどを開発したり購入したりすれば、その価値を数年かけて少しずつ減価償却していくことが通例。

みずほも当初は5〜10年かけて減価償却する計画でした。

しかしみずほはこれを見直し、一気に巨額の減損処理に踏み切ったのです。

一括で前倒しで償却した、という感じ。

 

 

減損処理をする要因はいくつかありますけど、少なくともどうせ翌年以降に損失として出てくるものを前倒ししたものですので、そこまで悪い材料とは言えないでしょう。

5,000億円と聞くと何だか巨額ですが、一年間の利益でカバーできましたし、利益を消すことで税金対策にもなったかもしれません。

 

ちなみに、みずほ現役社員によれば、対外的にはこのシステム刷新に5,000億円程度をかけていると言っていますが、

多分2兆円は使った

と言われているそうです。

 

 

4.みずほはメガバンクから外れる?

 

みずほの2019年3月期の決算は悪かったですが、その中身は5,000億円の減損でした。

そして、これ自体は前倒しでの償却ですし、そこまで気にする必要はないことを説明してきました。

 

しかし僕が思うに、「みずほがメガバンクから外れる」というような意見や憶測は、この決算が出る前から存在していたような気がしています。

 

みずほと、他のメガバンクである三菱UFJや三井住友とは、そこまで差があるものでしょうか。

もはやみずほは、りそな銀行あたりと近いということなのでしょうか。

 

では、主要な金融会社とみずほを、業績面を比較して見てみましょう。

 

2019年3月決算 当期純利益 比較

 

メガバンク3行と、りそな、三井住友信託。

それから参考で、証券業界のナンバーワンである野村ホールディングス、ナンバーツーである大和証券グループ本社も入れてみました。

 

三菱UFJは2015年に利益1兆円をただき出し注目を浴びましたが、2019年も9,498億円。

三井住友も約8,000円と、まさにメガ級の利益を計上しています。

 

かたや、みずほは減損が響き1,188億円と寂しいもの。

メガバンクではないりそなの利益水準を下回ってしまいましたね。

 

 

やはり減損の影響は大きいので、減損を補正してみましょう。

【減損補正】2019年3月決算 当期純利益 比較

(野村も減損が800億円ほどありましたので、補正しました➡︎減損理由はこちらで解説

 

減損分を足し戻しました。

お分かりの通り、みずほは減損がなくても他の2行に水をあけられているのは事実ですね。

 

とは言え、りそなグループあたりとは規模が全然違いますし、「みずほはメガバンクではない」というほどの落ち込みではないように思います。

 

利益だけではなく、一応総資産もチェック。

バランスシートの大きさで比較しました。

(野村や大和は融資をするビジネスモデルではなく、バランスシートを使わないので比較の意味はあまりないですが、流れで一応つけました。)

 

三菱UFJが飛び抜けて大きいですが、みずほと三井住友は拮抗していますし、りそなとの規模の差は明らかです。

 

メガの中で3位が定着してきている感じはあるものの、業績やバランスシートをみる限りでは「みずほがメガバンクではなくなる」というほどではないようにも感じます。

 

 

 

5.みずほがなぜ倒産すると言われるのか

 

これまでみたように、みずほには旧行の権力争い、システムがイケてなかった、収益力が低い、などなどの問題はありました。

特にシステム面では、業界ではシステム障害が起こると聞くと「またみずほでしょ?」はお決まりのジョーク。

 

フィンテック企業の台頭や、かんぽ生命問題による「ノルマ問題視」で稼ぐことが厳しくなっている事実もありましたね。

しかし、どれもこれもみずほだけではない問題だったり、倒産するというほどインパクトのあるものではないように思えます。

 

実は、上記で挙げたもの以外に、世の中がみずほに対して抱いている懸念がもう一つあります。

それはソフトバンクなのです。

 

 

みずほとソフトバンクとの取引


金融関係者が「みずほは倒産するのでは」と考えている最悪シナリオはソフトバンクと運命を共にする事態

ソフトバンクは巨大な会社ですが、実は借入金、つまり融資を受けている金額が巨額であることも有名な会社。

そのメインバンクがみずほ銀であることはよく知られていますよね。

 

つまり、借金の多いソフトバンクがこけると、貸しているみずほが共倒れするというシナリオが想定されるということ。

 

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SBの業績悪化が甚大な影響を与えるかも

ソフトバンクが倒産することはあまり考えにくいことではありますが、業績の悪化だけでも実はみずほに深刻な影響を与えかねません

 

半沢直樹というドラマをご覧になったでしょうか。

半沢直樹が勤務するメガバンクがあるホテルに巨額の融資をしているのですが、そのホテルの業績が悪いと判断されると巨額の引当金を積まなければなりませんでした。

引当金というのは、利益から差っ引いて積んでおかなければならない資金なので、それが巨額なら銀行の業績に甚大な影響を与える、というもの。

金融庁から「このホテルの経営はガタガタだ。引き当て積めよコラ」言われることをなんとか阻止するドラマ。

 

この事例と同じように、ひとたびソフトバンクの業績が悪化すると(ソフトバンクが潰れなくても)みずほは引き当てを積む必要があります。

そして、みずほからソフトバンクへの融資があまりに巨額と言われているので、その引き当て金額も相当なものでしょう。

 

仮に2兆円の融資(全て実残と仮定)があったら、もしかしたらその10%程度の2,000億円くらいの追加引き当てが必要かも。

つまり利益から2,000億円差っ引かれるということ。

結構しんどいですよね。

(要注意先に落ち、PDが10%程度悪化したと仮定)

 

 

SBの業績悪化で積み上がるリスク量

それにソフトバンクが悪化すると、VaRリスクアセットと言って、みずほが持ってる「リスク」が跳ね上がります。

  • 普通に予想されるリスク➡︎引当金でカバーせよ
  • もしものリスク➡︎自己資本でカバーせよ

 

金融機関の経営企画で資本政策に携わったり、リスク管理の業務をした方はご存知かと思いますが、

リーマン級の「もしものリスク」は自己資本で吸収できるようにしておけというのがグローバルなリスク管理、バーゼルの考え方ですね。

 

ソフトバンクの業績悪化⇒格付が悪化すれば、もしもの時の損失リスクが大きくなるので

準備すべき自己資本が足りない!

という事態になりえます。

 

そうすると増資をするなど体力増強の手段を取らざるを得ないし、うまくいかなければ国際的な海外業務が出来なくなるので、さらに収益力の低下を招くこととなるでしょう。

 

 

みずほのSBへの積極融資の是非

ちょっと脱線して私見です。

個人的には、ソフトバンクのような会社を支援する姿勢はいいのではないかと思うのですけどね。

銀行は資産背景や格付、デフォルト率、直近の収益力などしか注目せずに融資サポートの可否を判断する傾向がありますが、もしみずほの社長が「ソフトバンクの将来ビジョンに共感した」ということであれば、リスクを取ってサポートすることが日本のためにはなるかもしれません。

 

そういう観点でビジネスをサポートすることが本来の金融業であるべきだし、こういう尖った会社を育てていかず世論が叩くだけだから、日本にGAFAが生まれないんだとは思っています。

ソフトバンクは韓国系だということでネットで叩かれたりもしますけど、頑張っている会社、うまく行っている人をひがんで足を引っ張るのは本当に日本の良くないところ。

 

 

 

6.みずほ銀行だけが本当に倒産するのか

 

みずほとソフトバンクの親密な関係について触れました。

では、これが起因してみずほだけが大打撃を受けるのでしょうか?

 

SBの悪化で打撃を受けるのはみずほだけ?

画像:共同通信社より(中間決算を発表する孫正義会長兼社長)

 

ソフトバンクの2019年9月決算が赤字転落したという衝撃の事件もありました。グループが運営するソフトバンク・ビジョン・ファンド赤字9,702億円と大コケたことが主因です

 

ソフトバンクになにかあると、もはやみずほだけの問題ではないです。

みずほだけでなく、三菱や三井住友だって融資をしていますし、野村や大和でも取引があります。

日本の金融界全体が、いやその他の業界の色んなところで大きすぎる影響が出るでしょう。

よって、ソフトバンクと相思相愛だとしても、みずほだけが潰れるということでもないように思います。

 

それに個人的には、ソフトバンクは倒産まではいかない気がします。

Too big to fail」ではないですが、これだけの巨大な会社なので政府のサポートが入ることで経済へのダメージを軽減するような措置が取られるでしょう。

 

 

それでもみずほの環境はよくない

ソフトバンクはいいとして、それでもみずほFGの周りの環境は、やはり決していいとは言い難いです。

 

まず、業績が大きく改善する可能性は高くないです。

もちろん、システムの大規模改修などでコストを削減したりといった手を打っているので、多少は利益幅の改善は見込まれます。

が、抜本的に「入ってくる収入」を底上げするような施策の具体策は乏しいのが現状。

 

しばらくは収入が上がりにくいまま、何とかコストをやりくりしてビジネスを継続していくでしょう。

 

 

7.危ないのは銀行ではなく銀行員かもしれない

 

みずほは様々な問題がありながらも、当面はうまくコストコントロールをしながら新システムのもとで業績の拡大を狙っていくでしょう。

 

ところで、コストのコントロールをするということは、当然にして人件費はコントロールの対象になります。

 

すでにみずほは19,000人分の人員を削減すると言っています。

決して「19,000をいきなりリストラするよ」とは言っていません。団塊ジュニアの世代の退職などと、新卒入社の抑制で、自然減はある程度達成できるとは思います。

 

が、行員が4〜5万人のうち19,000人というのは、退職の自然減だけでは厳しい。

 

恐ろしいリストラスキーム

これから流行ると言われているのは、野村證券でつい最近見られた

-支店売却スキーム-

 

2019年の8月に、野村證券と山陰合同銀行の業務提携が発表されましたね。

これは、別の意味で結構衝撃だったんです。

 

島根県松江市にある野村の松江支店。

この松江支店のリテール営業をそのまま山陰合同銀行に移し、営業マンも山陰合同銀行に出向するというもの。

実は

"事実上の野村の松江支店メンバーのリストラ"

と言われます。

ダイヤモンドオンライン記事ご参照

 

松江支店は不採算店舗だったと言われ、将来的にこのエリアのビジネスから野村が撤退していく可能性が高いです。

だから、現在は山陰合同銀行への出向という形を取っていますが、そのまま銀行に転籍ということも考えられるのです。

要するに、片道切符の出向ですね。

 

このように、人件費の安い会社に出向させて、そのまま転籍させる

こういうスキームを不採算店舗や業績の芳しくない営業マンをターゲットに実施していくという観測が広がっています。

 

 

業界全体に広がる人件費コントロール

これは野村證券だけの動きでもないです。

メガバンクでも、システム部門に在籍していた銀行員をそのままシステム会社に転籍させるという事例があると言われます。

リストラではなく雇用は確保されてはいるので批判は受けにくく、かつ実質的に人件費削減も可能。

 

生産性が下がっている中で高止まりする年収。

この状況を打開すべく、みずほを含め、こういったやり方が金融機関で増えていく可能性は大いにあります。

 

そう。

危ないのは、コストコントロールが出来る銀行ではないです。

コントロールされてしまう銀行員なのですね。

 

 

8.世の中がみずほ銀行の人材をどう思うか

 

「みずほ銀行 潰れる」

というキーワードがGoogleでよく検索されていることを冒頭でもご紹介しました。

これはすなわち、世の中の人の多くがみずほは危ないのではないかと感じていて、Googleの検索欄にそう打ち込んでいることを表していますよね。

しかし本記事では、実際にみずほが潰れるとまではいかないし、「メガバンクから外れる」も少し言い過ぎな面があることを解説しました。

 

しかし、実態はそうだとしても、「世間に人がどう思っているのか」に注目する価値は大いにあります。

というもの、人材価値やブランドは世間の人がどう思うかが土台になっているからです。

 

 

ブランド価値の毀損

「みずほ やばそう」

と思う人が増えれば増えるほど、みずほのブランドが毀損している状態です。

要するに、世の中の認識としてみずほの格が下がっていて、ステータスが保てなくなるのですね。

 

このことは、将来のみずほ社員のキャリアの可能性をどんどん狭めている方向に動きます。

 

転職の世界では、

「ああ、この会社の人だったらそれなりに優秀かな」

とか

「東大卒だったら、優秀なんだろうな」

というふうに、ある程度の予想やフィルターを介した見方をしてしまうのが通例。

そうしないと、膨大な候補者から効率的に優秀な人を採る事が難しいからですね。

 


みずほも優秀だと思われています。

5年以上前はメガバンクと言えば就職偏差値でも上位に常にランクインしていたし、そのころに入ったであろう人は優秀なんだろうという感覚を世間の多くの人が持っていますよね。

だからもし明日、ぼくが8年目以上のみずほ銀行総合職を面接の場で目の前にすると(僕はたまにコンサルの中途採用面接で面接官をやります)、

この人はそれなりに優秀なんだろうなあ

というフィルターがかかった上で、その人を見ることになります。

 

 

さて、みずほが「この会社の人は優秀」という枠から外れるとどうなるでしょうか。

この認識が変わっていくと大問題です。

世の中で「みずほの業績は悪い」とか「みずほに入る人はそこまで優秀じゃない」という認識がぐんぐんと広まってくるにつれ、いざみずほ社員を面接でみかけた時に、

みずほか、なんだかパッとしない会社だな

という評価を食らってしまう可能性があるということです。

 

今はまだいいですが、1〜3年もすればみずほに対する世間に認識がすっかりと変わってしまい、ひいてはそれが(本当は優秀でも)みずほ社員の中堅層の将来キャリアの可能性を狭めてしまうのです。

 


大事なのは、世の中の人の印象です。

これがブランドというものだし、ステータス

 

しかし一旦それが棄損するということは、みずほ出身社員の人材市場での価値を大きく減らすことに繋がってしまうということです。

 

 

 

9.ハイキャリアというブランドを活用しよう

世の中の人は、公平ではありません。

学歴や会社の格、年齢や性別で判断してしまうのが人間です。

 

だから「みずほ社員は優秀である」という世間の認識、当社のブランドは、是非とも活用すべきです。

みずほだけではなく、現在ハイキャリア層だと思われている総合商社や金融、外資系企業なども同じ。

使えるものは、使えるうちに使いましょう

 

 

「企業は短命になり、人は長寿化する」

 

こう言われる通り、企業のブランドは短命化するし、一方で定年は伸びて働かないといけない年数は拡大します。

だからこそ使えるうちに今のブランドを活用して、将来のキャリアの可能性をいくつも用意しておきたいところ。

 

 

そのためには、キャリアの世界を覗いてみて情報収集することが大事

(そもそも、キャリアを決め打ちして情報収集をしていない時点でリスク管理能力としては微妙です。)

転職サイトやエージェントの話を継続的に聞くことで情報収集してみましょう。

 

転職をするしないの問題ではなく、「どんな資格や能力をつければ社内価値が上がるか」ということを考える上でも、それは世の中の人材マーケットを知っておくことで方向感を決められますよね。

 

ハイキャリアにはハイキャリア専門の話を聞くべきであると、重ね重ね当サイトでは主張しています。

世の中、この世界を本当に理解している人は少ないですから。

使うべきサービスは以下のページで詳しく解説しています。

転職業界の裏話も解説しています。

 

是非みなさんが世間の感覚をうまく捕まえて、キャリアの可能性を適切に探っていかれることを応援しております。

 

 

終わり

 

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