キャリア

赤字転落の野村證券は本当にリストラをするのか

更新日:

赤字に陥った野村ホールディングスですが、リストラを含めた様々な改革案が発表されました。


野村證券がリストラ!」と囁かれていますが、具体的には何をするのでしょうか。

本当に総合職がリストラにあうのでしょうか

 


ここでは、リストラをリストラクチャリング(組織の再構成)という意味ではなく、「人の解雇」という意味に焦点を当てて述べていきます。

 


今多くの人が気にしているのは、「解雇」の意味でのリストラでしょう。

野村ホールディングスが2019年に発表した各種改革案と、国内の営業や総合職への影響がどの程度ある内容だったのかを解説します。


どうぞご覧ください。

 

 

 

1.発表されたリストラ(組織再編)の内容

 

野村證券がリストラをするらしい」といったざっくりとした表現で情報が広がっている状況です。


日本の証券業界のリーディングカンパニーである野村證券は、本当にリストラをするのでしょうか。

そもそも「リストラ」とはなんでしょうか。


リストラとはそもそも「restructuring」の略です。

ビジネスでは単に「組織の再構築」を指すのでしょうけど、日本では多くの場合、組織の再生のために不採算な事業の縮小、それから人の解雇を指す場合が多いようです。

 

 

しかし実は、2019年に野村ホールディングスが発表したリストラ策は、決して人の解雇のみに焦点を当てたものではなく、主に組織全体をもう一度構築し直すような施策が多いです。

 

印象としては「国内で人を大量に解雇する、削減する」という憶測は、やや行き過ぎている感じがします。


今回の野村ホールディングスが発表した改革内容は、日経新聞にも簡潔にまとめられています。

日経記事

いくつか施策が出されましたが、主要な施策について、その内容を見てみます。

 

1.1コーポレート部門の大幅な再編。

 

グローバルでインパクトのあった改革案は、コーポレート部門のスリム化です。


財務部門や法務部門など、本部機能をコーポレート部門と呼んでいます。この本部機能が乱立していたので、11あった部門を6つに集約すると発表しました。


集約、例えばA部とB部が統合すれば、2人いた部長が1人で済むようになります。

欧州でコンプライアンスを見ている部署があり、米州もコンプライアンスを見ている部署があって、結構同じようなレポートを作っていたりするのは、あるあるです。

「コンプライアンスは東京でまとめて管理する!」と統合して、ムダな業務を削減するといった、生産性の向上も目指しています。

 

ただ、やはりスリム化をすれば、その分業務が要らなくなり、ポジションも減るので、世界各地でのコーポレート部門の従業員はやや減ると考えられます。

 

減るメインターゲットは、役職がかなり高い人や、海外の人材だと考えられます。

 

 

1.2海外ビジネスの縮小

 

なんといっても、野村ホールディングスの収益面での足を引っ張っているのは、海外ビジネスです。

リーマンショックで倒産したリーマンブラザーズを引継ぎ、欧州を中心に海外ビジネス拡大を志向しましたが、10年でも、ほとんど黒字になりませんでした。

「欧州ビジネスを縮小し、米州と中国アジアに注力する」様子ですので、特に欧州戦略が失敗したのが痛恨だったということでしょう。

 

2019年3月期の決算では野村ホールディングスは赤字に転落したことは衝撃でしたが、この赤字はやっぱり海外ビジネスが不調であることが起因しています。

国内はまだ黒字で、何とかなっているんですね。

 

こういう背景で、野村ホールディングスは海外ビジネス、特に欧州を大規模に縮小します。

ほぼ、「ここでは戦えない」という、ほぼ撤退に近い厳しい決断です。

 

リストラ=人員削減と言われているのは、大半はこの欧州地域のトレーダーやIBバンカーなどが中心です。

これにより欧州地域のコストを半分に抑える計画のようです。

 


日本で最大のインベストメントバンクである野村が、金融の中心ともいえるロンドンで戦えなかったのは、日本の金融業界としても残念な結果です。


欧州でまともにビジネスを継続していく可能性があるのは、もはやメガバンク3行だけになってしまいます。

特に、リーマンを買収した野村と、モルガンスタンレーと組んだ三菱UFJの海外業績の違いが、よく取り上げられますよね。

何が両者の差だったのかは、今後明らかになっていくでしょう。

 

 

1.3店舗統廃合が発表

 

もう一つ重大な発表が、国内店舗縮小です。

なんと今150ある店舗のうち、30店舗以上削減すると発表しました。


『駅前一等地、路面店』という全国一律のコンセプトは見直す」と発表されましたね。


たしかに、大きなJR駅の目の前にはだいたいメガバンクと野村證券の店舗がありますよね。

こういう立地は、やはりコストが非常にかかるのでしょう。

野村證券だけでなく、メガバンクも店舗の縮小計画が発表されています。

 


オンライン取引が伸びてきている状況下で、実店舗や対面取引のあり方の見直しは、もはやトレンドですし、この発表自体は「それもそうだね」「ちょっと遅すぎ」くらいの受け止められ方が多いかもしれません。


しかし、店舗の縮小が、どうしても人員のリストラ(解雇)を想像させるので、ニュースとしてインパクトはあったということでしょう。


しかし国内リテールの人員を削減するのか、しないのかについては、あまりはっきりと発表はされていないように思います。

 

 

 

2.国内で起こること


発表された施策は多いですが、国内ではどういうことが起こるのでしょうか。

ここでは「国内の営業店」にしぼり、今後起こるであろうことを解説します。

Sponsored Link

 

 

 

2.1店舗の統廃合でポスト減少

 

前述したように、野村證券は150ある店舗のうち、30店舗以上削減すると発表しました。


店舗統廃合は野村證券の社員にしてみれば「ついに、うちもするのか」という感じで、非常にインパクトのある発表だったでしょう。

 

金融機関では店舗が統廃合されるときは、比較的小さな支店が近隣の大規模店に吸収されたり、また、近くにある店同士を片方に寄せるような動きになります。


また、支店長は2人要らないので、どちらかが副支店長になったり、別の店舗に降格して動くことでしょう。

加えて、ライン長などのポストもトータル的に減ってしまうので、社員の中での競争の激化が引き起こされます。

 


また、人員の移動はそう簡単でもありません。

吸収される側の人員すべてが新しい店舗に移動できればいいのでしょうけど、「物理的にスペースがない」問題が当然起こります。

退去するにも、現状回復を含めた各種コストが発生しますので、新しく別の広めの店舗をバンバン契約することはあまり考えにくいと思います。

 


よって、そのタイミングで遠隔地への異動を命じられる人が少なからず出てきます。

近隣店舗だけでは余剰人員を吸収しきれないので、遠隔地に分散させて「何とか入れ込む」しかありません。

 

そして、このタイミングでひっそりと行われるのが、ギリギリ通えるかどうかの遠い店舗に配属されるケースです。

「耐えれるなら続ければ」というスタンスでしょう。

これは実際に他の金融機関ではすでに起こっている実話です。

 

 

2.2配置転換と言う名の総合職の選別


富裕層や、小口顧客など、野村證券にはさまざまな規模の顧客が存在します。

彼らへの丁寧なアプローチや質の高い提案を掲げてきましたが、ここに少し無理が生じているようです。


そもそも投資信託を買ってくれるような顧客でも、その額が300万円とか1,000万円くらいでは、野村からすれば「有難くない顧客」だったでしょう(厳しい言い方をすれば)。

 

 

ぼく自身も金融機関で営業を経験したことがありますが、500万円程度の投資信託を買ってもらうために、何度も通って、何時間も説明していたら、完全に赤字です。

全くビジネスとしてペイしないんです。おそらくそれはどこの金融機関でも似たり寄ったりでしょう。

 


確かに、SBI証券などネット証券であれば、野村證券などの対面スタイルに比べてコストがかからないので、100万円でも運用してもらえばいいんです(その分情報もないですし、何を買っても自己責任ですが)。

 


でも野村證券は対面スタイルですので、コストがかかります。

よって、販売する運用商品のロット金額を上げるしかありません。

 

そんなわけで、野村證券はターゲットを数千万以上持っている富裕層に絞るしかないんです。


そうして、野村證券は数千万以上持っている富裕層だったり、そもそもロットがもっと巨大な中小企業に攻めようとしています

しかしながら、こういった客はそこまで絶対数が多くないです。

 

一方で、資産をあまり持っていない顧客層を完全に切るわけにもいかないという悩みもあります。

世間的な目や評判を考えてもそうですし、将来の富裕層を抑えておかないとビジネスの継続が困難になるからです。

 

よって野村證券は

  • 富裕層や中小企業担当
  • あまり資金を持っていない顧客の担当

の二つに総合職を分けると発表しました。

 

これが、「営業員6,900人の配置転換」です。

詳しくは別記事に記載しています。

野村證券の総合職営業マンの半分が危ない!?インベスター・デー発表から分かること


やろうとしていることは、優秀な総合職営業マンと、そうでない総合職営業マンの選別です。


優秀な営業員は、「これからもよく勉強して、高度なスキルで富裕層へコンサルティングをしてくれ

ですが、そうでない従業員は「あまり資金を持っていない顧客にコストはかけれないので、電話をかけまくってセールスしてくれ

という分担になります。


後者に配属された人が、野村證券内でのキャリア展望はちょっと描きにくくなると考えられます。

 

 

2.3ペイフォーパフォーマンスの徹底

 

2019年4月には、従業員の評価について「ペイフォーパフォーマンスの徹底」を実施すると発表されました。


日本の賃金は、年齢とともに上昇していく「職能給」と呼ばれる体系が多いですが、これに対し「職務給」は、能力とパフォーマンスに応じてポストを与え、そのポストに付いている値段に応じて賃金を払うというやり方です。


野村證券も、この「職務給」に近づいていくようです。


能力やスキル、パフォーマンスに応じて、それにふさわしい役職やポジション、仕事を与えるということです。

これが「ペイフォーパフォーマンスの徹底」ということでしょう。

 

 

よって、同年入社でも給与に差が付きますし、年齢と年収の逆転現象が起こります。(結構外資では普通にありますが)

 

ここで、さらにカラクリがあります。

会社側は、トータルの人件費を下げようとするでしょう。

「コスト削減」を徹底して行わなければならない情勢下で、必ずそうするでしょう。


トータルの人件費を下げるために、ポストへの認定基準を厳しくするはずです。

年収1,000万円もらえるポストの数を絞り、そこに就ける人の認定基準を厳格化することで、年収1,000万円を支払う人の数を大きく減らすことが出来ます。

 

こうして多くの従業員が、実質的には「年収がダウンした」となるケースが多く出てくると考えられます。

 

野村證券が置かれている状況的に、ポスト認定基準の厳格化はあっても、基準が甘々で「年収が維持または上がった」という人がたくさん出る可能性は、ほぼないでしょう。

 

ここで人件費が上がったら、株主説明にとても耐えられませんからね。(海外の人件費を大きく下げるので、多少国内が上がってもあまり目立たないかもしれませんが)

 

 

3.従業員は選択を迫られる


上記のように、組織の改革が複数発表されましたが、実際には「国内従業員を大量解雇する」ということは、あまり現実的とは言えないでしょう。

 

ただし「競争が激化され、待遇が悪くなり、給与が下がり」という影響を受ける営業マンが少なからず出てくる可能性があります。

簡単に給与を下げられないし、日本では簡単にクビにも出来ない事情があり、企業としてはそういう対応をするしかないのでしょう。

 

野村ホールディングスが発表したリストラは、このような内容です。

「解雇」ではないものの、従業員にとっては厳しく、他の証券会社にとっても他人事ではないでしょう。

 

 

ただし、ある意味実力がある人には報いてくれる体系になると捉えることもできます。

野村證券を辞める人は「理不尽に怒ってくるけど全然働かない上司が高給をもらっている」ことに失望したから、という声もあります。

 

働かない上司や、やる気がない若手は、それ相応の処遇を受け、その分、パフォーマンスのいい人が手厚く扱われるという、ある意味本来の評価に近づいていくとすれば、非常に前向きな改革とも言えます。

 

 


会社に入れば、特に大企業に入れば、もう安心という時代が終わったことをひしひしと感じますよね。

 

このような流れは、野村證券だけではなく、三菱UFJなどの3メガバンクや、その他大手金融機関でも起こり始めていることです。

野村證券だけが特別ではなく、また金融業界だけが特別でもありません。

 

そもそも日本企業で、環境も業績も盤石な企業など、決して多くはないでしょう。改革やコストカットと無縁な企業はないですよね。

 

 

トヨタの社長や、経団連が「終身雇用の継続は困難」だと発言していることからも、年齢と賃金の関係は崩れていくのは既定路線だと思われます。

 

前述した「職務給」という制度が野村だけでなく全業種に広がっていけば、金を稼いでくれるのは「在籍年数」や「年齢」ではなく「スキル・経験・能力・知識」だけになります。

このことを、ぼくも含めて特に20代、30代はよく考えなければならないですね。

 

知識や経験、スキルがあることを証明するには、一番ベストな手段は「資格の取得」です。

「能力の証明」で誰もが納得感があるのは資格ですよね。

 

以下の記事で金融業界のキャリアで有効であろう資格を紹介しています。

 

 

 

しかし資格にもよりますし、時間とコストが相応にかかる点がネックです。

 

時間とコストがかからない方法としては、転職経験でしょう。

知識や経験が多そうに見えるのに、転職経験は一番簡単な方法です。

 

 

転職まではさすがに考えてないけど、将来への不安がないとは言えない」ということであれば、以下記事もご参考ください(記事前半は一部内容が重複します)。

 

 

繰り返しますが「スキル・経験・能力・知識」に応じて、値段が設定されたポジションが用意されているのが、終身雇用に変わる新しい制度です。


ポジションになるべきたくさん応募できるよう、自分の引き出しを増やしておくことがリスクヘッジになります

 

 

 

転職って、自分にどんな先があるんだろう?」と選択肢を見ておきたいなら、ビズリーチリクナビNEXTなどの転職サイトに登録しておくか、JACリクルートメントリクルートエージェントといった転職エージェントに直接話を聞くことでしょう。

 

「本気じゃないけど、ちょっと見てみるか」くらいであれば転職サイトが気軽です。

ビズリーチリクナビNEXTが転職サイトです。

 

ちなみに、転職関連のサービスは、ビズリーチ以外は全て無料です(ビズリーチだけ、有料会員になれば5,000円/月かかりますが、無料会員で問題ありません)。

 

ビズリーチを見る リクナビNEXTを見る

 

 

 

ちなみに、転職サイトと転職エージェントの違いが不明な方は以下をご覧ください。

 


野村證券クラスのステータスであれば、ハイキャリアだけに注力している転職エージェントのJACリクルートメントの一択です。

当然、転職先もハイクラスだと思いますので。

 

「年収1500万円の求人」クラスでも案件を持っているエージェントです。

 

ハイクラスの転職先を見てみる

 

 

 

4.まとめ

いかがでしたか。


今回は野村ホールディングス、野村證券が発表した改革案と、「リストラ」について触れました。


「リストラ=解雇」は主に海外が中心だと思います。

一方で国内の営業員や総合職は、すぐにリストラ=解雇になることはないですが、変わっていく会社や業界の中で、自分で進む道を選択をする必要が出てきます。

長い目で見て一番リターンのある選択肢を探し、リスクと天秤にかけた上で、じっくり検討していくことが大事だと思います。

 

まずは情報だと思いますので、資格か転職の情報だけでも手元に持っておくリスク管理意識は持っておくに越したことはありません。

 

 


おわり

 

Sponsored Link
Sponsored Link

人気が高い記事

-キャリア
-, , , ,

Copyright© 年収1000万円の人の情報サイト , 2019 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.