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ネット証券はどのくらい伸びてきていて、野村證券はどれほど落ちて来ているのか

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金融業界を取り巻く環境は厳しさを増す中で、とりわけ証券業界は特に厳しい状況となっています。

 

業界のリーディングカンパニーである野村証券が赤字転落、主要な証券会社もほぼ全て2019年3月期決算は減益となりましたね。

 

一方で、それに比べて好調なSBI証券などのオンライン証券

 

 

野村証券などのお客さんとの対面型、SBIなどのオンライン型の攻防は激しさを増していると言われます。

 

お悩みビジネスマン

ネット証券が伸びているっていうけど、実際どのくらいの規模になっているの?

野村証券など大手の業績はどのくらい落ちて来ているの?

という疑問に対して、決算の推移から解説いたします。

 

数字で見ることで、業界構造の変化がより理解できるはずです。

どうぞご覧下さい。

 

 

 

 

1.証券会社の収益の推移

 

証券会社の収益の比較をしてみました。

「収益」は、一般的な会社で言うところの売上のようなものです。

 

 

野村證券、大和証券、それから三井住友の傘下となっているSMBC日興証券が、いわゆる昔からの顧客対面タイプの大手証券会社です。

 

これに対して、オンライン型で最大手であるSBI証券を比較しました。

 

数字は4期分の決算を、各社のホームページのIRから取得したものです。

 

 

野村證券は、やはりでかいですよね。

収益(売上)は1兆円以上あり、他の3社を全部足しても野村には及びませんね。

 

直近は顧客対面タイプの野村、大和、日興は収益が下がっています。

 

一方でSBIは若干増えていますね。

 

直近2019年3月期は、年末にマーケットが大荒れしたんです。

これにより、投資家層が運用を手控えました。

 

 

要するに、マーケット環境が悪かったので、みんな株を買ってくれず、証券会社はビジネスが非常にしにくい環境だったんですね。

だから各社とも売上が下がっているんですが、このマーケットの荒れの煽りを受けずに増収となったSBIは凄いなと感じます。

 

 

なんだか、この規模感だけを見ると、SBIが伸びてきているとは言うものの、SBIが野村や大和を抜き去るのは、まだまだそんな規模ではないように思いますよね。

 

 

しかし、売り上げの規模感だけを見ていては、今の証券業界の状況を正確に把握することはできません。

 

証券業界の構造を分析するには、実は収益(売上)だけを見るのではなく、残った利益を見ていく必要があるんです。

利益とは、収益から人の給料とか、いろんなコストを引いて、残った金額のことです。

 

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2.利益の比較

 

では、各社の利益(売上からコストを差し引いた)を見てみましょう。

 

売上からコストを差し引いた

 

野村證券は、2017年や2018年は3,000億円ほどの利益(税引き前)を確保したものの、なんと2019年は赤字に転落しています。

 

大和証券は、利益1,000億円をキープしていたのですが、直近の2019年は、1,000億円を割り込む減収となりましたね。

 

SMBC日興も直近で、前の年の半分ほどの利益に落ちてしまっています。

 

 

2019年3月期の証券業界は、特に厳しい環境でした。

先ほど解説したように、直近2019年3月期は、年末にマーケットが大荒れしたんです。

投資家の心理が相当に冷え込んだことで、みな運用を手控えて証券会社がビジネスするには環境が非常に悪かったです。

 

そんな中でも、しっかりと利益を増やしているSBI証券をみて、対面型の野村證券、大和証券、日興は相当な危機感を持っていることでしょう。

 

 

 

ちなみに、野村證券の赤字は、買収したリーマン・ブラザーズなどの減損という会計上の処理が▲810億円含まれています

これは確かに一時的なものなので、実態の利益確保力を表していないと言えるかもしれません。

 

 

よって、この810億円の特別損失がなかったとしたら、どのような見え方になるかを、グラフで確認してみましょう。

 

 

 

いかがでしょう。

 

野村證券は、減損という一過性のマイナス要因がなかったとしても、大きく利益が下がってしまっていることが分かると思います。

 

利益の面では、野村證券は、もはや2位の大和証券だけではなく、SBI証券にすら抜かれてしまったという事実が分かります。

 

 

 

3.なぜSBI証券は利益を拡大したのか

 

なぜ、SBI証券は、売り上げは少ないのに、大手証券並みの利益を確保できているのかを解説します。

 

 

これまでご覧いただいたように、証券会社のタイプは二分されます。

 

野村證券や大和証券、SMBC日興証券は、お客さんと直に対面で接客をするタイプである対面タイプの証券会社ですね。

 

一方でSBI証券や楽天証券は、顧客との接点はオンライン上のみであるオンライン証券と言います。

 

 

この2つの勢力構造が変わってきています。

 

昔からある野村證券などの対面タイプ証券が伸び悩み、収益(売り上げのようなもの)や利益を減らしています。

一方でSBI証券などのオンライン証券は、売り上げ規模はまだまだですが、利益はどんどん伸びてきています。

 

ついに、利益規模では野村證券もSBI証券も、同じレベルになってしまいました

 

 

駅前のいい場所に綺麗な店舗を構え、お客さんと対面で接客し、時にはお客さんの家まで訪問するタイプの「対面タイプの営業」は、非常にコストがかかるんです。

特に野村證券などは、営業マンは総合職が担っているのですが、彼らの給料がそれなりに高いんです。

 

そうやって高いコストをかけながらお客さんに提案をしていくわけですから、顧客からそれなりに高い手数料をもらう必要があるわけです。

 

 

しかし近年は、60歳くらいの高齢者もインターネットやスマホを使うことくらい普通ですし、金融知識もついてきています。

 

ネットで安く買えるんじゃん

と気づいてしまったんです。

 

 

こうやって、手数料が安いオンライン証券に顧客が流れているのが今起こっていることです。

 

手数料が安いため、収益(売り上げのようなもの)を見ると、オンライン証券の規模は大したことがないんです。

 

でも、オンライン証券は、人件費や店舗費用などのコストがかからない分、利益がかなり確保できるんです。

 

こういうわけで、オンライン証券は「売り上げは大したことがないのに、利益は大手並み」を達成したわけです。

 

 

 

4.今後、業界で起こること

 

 

野村證券などの大手企業は、

高い手数料を払うほど、質の高い提案を受けられないなあ

と思われ始めているので、収益(売り上げ)も利益も落ちていくでしょう。

 

一方でSBI証券などのオンラインは、野村證券などから顧客を奪いながら、ある程度までは拡大するはずです。

 

 

しかし、この流れは、ある時点で止まるでしょう。

なぜなら、金融商品は、そこまで簡単ではないからです。

 

 

金融業界は複雑ですし、マーケットの動向も複雑で、かつ早いです。

よって複雑な情報をスピーディーに集めていかないと、なかなか最適な運用は難しいのも事実です。

 

 

つまり、「提案を受けたい」「情報が欲しい」という顧客は、少なからず存在し続けるはずです。

 

例えば資格取得や大学受験でも、テキストや参考書を揃えて独学でも資格取得はできるんですが、それでも予備校の需要がなくならないのと同じです。

 

 

オンラインで一度でも取引をしてみたら分かるんですが、投資信託だけをみても数百種類あり、どれが自分に合っているのかなど素人が分かるはずもありません

おそらく、ネットでやっている多くの人は、「ランキング1位」とか、「おすすめ銘柄」と記載してあるものを適当にクリックしているだけでしょう。

 

 

こういう人は、証券取引のとっかかりにはいいかと思うんです。

でもどこかの時点で、「今の組み合わせは将来の備えに向けて、最適なんだろうか」とか、「ポートフォリオの見直しをしたいなあ」というニーズは必ず出てきます。

 

生命保険を営業マンから言われるまま買ったものの、「保険の見直し」のようなサービスやフィナンシャルプランナーに相談にいく人が世の中にある程度存在することと同じです。

 

 

つまり、「相談したいニーズ」というのは、無くならないと思うのです。

その意味で、オンライン証券の伸びはある程度までだと思いますし、野村證券が本当に質の高い相談に応じることができれば、そのニーズの受け皿になり得ます。

 

 

 

ぼくは野村證券や大和証券などの営業マンの方々とお話しすることがあるのですが、業界の将来への不安を感じている様子を感じます。

 

そういう方々は、証券会社で営業を続けていくならば、「金を払ってもいいくらいの高度な相談」ができるように備えておくべきでしょう。

 

これまでの提案や相談力では、顧客から「このくらいの提案なら、もうネットでいいや」といった感じで、顧客からウケないことが分かりました。

 

 

これを挽回するには、富裕層から「助かるなあ」と思われる提案力が必要です。

富裕層は今後、単に株や債券を買うような相談ではなく、相続や税、不動産、事業承継などの複合的な提案を求めてくるはずです。

こういうことに対応できない営業マンは、生きていく道が無くなります。

 

 

ただしこれからのこの分野は熾烈な競争が待っています。

 

以下の記事に詳しく書いていますので、ご覧ください。

 

 

 

一部の証券の営業マンは、こういうスキルや知識を身につけるために、LECなどでCFPなどの資格の取得を目指していますよね。

 

LECなどの予備校でまずは資料をもらってみてみると良いでしょう。

LECファイナンシャル・プランナー講座

 

 

また転職してスキルを増やしておく選択をする方も多いです。

ビズリーチリクルートエージェントJACリクルートメントどで、将来取ることができる選択肢を把握しておくといいと思います。

 

 

 

【個人的におすすめする転職情報サイト】

ビズリーチ

リクナビNEXT

キャリアカーバー(CAREERCARVER)

【個人的におすすめする転職エージェント】

JACリクルートメント

リクルートエージェント

パソナキャリア

 

 

 

 

5.まとめ

 

いかがでしたか。

 

大手と呼ばれた野村證券や大和証券の業績は、収益(売り上げ)も利益も先細りの傾向が見えます。

何と言っても、利益面ではSBI証券は、もうすでに野村證券・大和証券と変わらないレベルまで上昇してきたということは衝撃的でしたね。

 

ただし、従来の対面タイプの証券会社は、ゼロになることはないと思います

全ての人がオンラインで完結できるほど、金融商品は甘くないです。

 

 

必ず、高度な提案を欲する顧客は残ります。

そういう時代に備えて、今営業に携わっている方はどうしますか?

 

 

 

おわり

 

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