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銀行はもう終わりだと言っている全ての人たちへ

更新日:

「銀行はもう先がないよね。稼げなくなって、倒産するんじゃない?」

「大量のリストラするらしいじゃん」

「銀行員って仕事つまんないよね、魅力ないし、そりゃ辞めるわ」

 

未曾有の低金利や、伸び悩む融資先、フィンテック企業の台頭など、日本の金融業界を取り巻く環境は厳しくなってきていると思います。

それは事実です。

 

ただ間違った認識もあると思っています。

 

お悩みビジネスマン

厳しいのは銀行だけでしょうか??

銀行の仕事を正しく理解できているのでしょうか?

フィンテックが本当に銀行を潰すのでしょうか?

 

 

良くないのは、センセーショナルなニュースを流して視聴者のウケを狙う記事が世の中に氾濫していることです。

これまで繁栄を謳歌した金融業界の代表格である銀行が潰れる。

 

きっと心地よい響きでしょう。

 

ただ本当に潰れるのでしょうか?

本記事は、銀行をはじめとする金融業界への現状の誤った認識に、一言物申したいと思います。

 

 

 

1.経営が厳しいのは銀行だけか

低金利で利ざやが稼げないとか、企業の設備投資などの意欲がないので融資先がないとか。

 

こういった理由で銀行の経営に、先行きの不安要素があるのは事実です。

 

 

ただよく考えてみてください。

低金利なのは、日本の低迷した景気を刺激するため

融資先がないのは、世の企業が新規投資が出来ない状況だから。

 

元を辿れば、要因は金融業界ではない業界の業績や日本全体の景気が低迷しているからですよ。

 

 

一体、日本のどの産業が今儲かっているでしょうか。

ソニーでしょうか。トヨタでしょうか。ソフトバンクでしょうか、ユニクロでしょうか、メルカリでしょうか。

 

かつて世界を席巻したソニーなどの電機メーカー。

サムスンや中国、台湾メーカーの台頭で、散々な現状はご存知だと思います。

東芝やシャープの有様を見て、日本の電機メーカーの将来が安泰だと誰が思っているでしょう。

 

日本最大の企業であるトヨタ。

次世代燃料車や、自動運転技術などで他国を圧倒していう状況ではありません。

 

ソフトバンクなどの携帯会社は料金見直し問題に直面。そもそもスマホユーザーは飽和状態、どうやって今後収益基盤を拡大していくつもりなのか。

 

ユニクロやメルカリも同じです。

 

それぞれの業界は、それぞれの問題を抱えています。

問題や先行きの不安があるのは、金融業界だけじゃないのではないでしょうか?

 

 

2.金融業界は赤字なのか

ビジネスマン
銀行の収益は厳しい。潰れるよきっと。

 

こんな声も、最近よく聴こえてきます。

銀行が今赤字に陥っているとでも言うのでしょうか

 

 

以下は2018年3月期の日本企業の最終利益ランキングです。

企業名2018年3月期 最終利益
トヨタ自動車2兆4939億円
ホンダ1兆0593億円
ソフトバンクグループ1兆0389億円
三菱UFG FG9896億円
日本電信電話9096億円
東芝8040億円
日産自動車7468億円
NTTドコモ7445億円
三井住友FG7343億円
みずほFG5765億円


3メガバンクはそれぞれ4位、9位、10位にランクインしています。

 

銀行の本業での収益が落ちてきているという事実は確かにありますが、それでもかなりの収益を確保出来ています。

 

三菱UFJはグループ全体で1兆円の収益を上げています。

巨額の黒字を計上できています。

 

このトレンドがずっと続くと言っているわけではないのです。

ただ、銀行は今のところ儲かっていますよ。また利益が毎年どんどん落ちているわけでもありません。

金融業界だけが特に業績が悪いとか、低迷しているという認識はやや間違っていることが分かっていただけますでしょうか。

 

 

3.倒産するとはどういうことか

企業が倒産する最大の理由は「金が回らなくなった時」です。

 

話を単純化しますが、お金が調達できなくなった時、一般に企業は死を迎えます。

それがどういう時に起こるのか。

 

それは「この企業、体力ゼロだな、」と思われた時なんですね。

 

 

では、体力ランキング見てみましょう。

企業名自己資本額
トヨタ自動車19兆2279億円
三菱UFJ FG16兆0246億円
日本郵政13兆2539億円
ゆうちょ銀行11兆5212億円
三井住友FG10兆3904億円

体力は、黒字を出したらその分増えてます。赤字を出したら、その分無くなっていきます。

 

三菱UFJ FG は、約16兆円もの体力を持っていますね。

一年で約1兆円の黒字を出した三菱UFJが、仮に業績が極端に悪くなって1兆円の赤字を出したとしましょう。

1兆円という巨額のダメージを受けたとしても、体力が16兆円ありますから、体力がなくなるまで16年は生きられるという計算です。

 

 

話を単純化していますので、種々反論はあるかと思いますが、イメージは「倒産する」とはこういうことです。

この数字をご覧になって、メガバンクはもうすぐ潰れると本当に思いますか

 

 

4.Fintechは銀行を倒す存在なのか

最近のトレンドとして、新しいIT技術がどんどん生み出されています。

ファイナンスとテクノロジーを組み合わせたフィンテック企業も登場しています。

 

こういったフィンテック企業は、既存の銀行にとって代わるのでしょうか。

本当に銀行を倒すつもりでしょうか?

 

 

はっきり言いますが、ベンチャーなどのフィンテック企業の多くは、既存の銀行を倒すつもりでビジネスをしていません

こういった新興のフィンテック企業は、自社のすぐれた技術やアイデア、テクノロジーを具体化して、銀行に売り込みに来ているのです。

 

 

圧倒的に資本(つまり金)と、顧客層を持った既存金融機関に自らの技術を買ってもらい、利用してもらうためです。

 

どちらかと言えばフィンテック企業は競合ではなく、協調パートナーなのです。

 

 

銀行側が抱いている危機感は、フィンテック企業に負けることではありません。

実は海外の金融機関はすでにフィンテック企業側とタッグを組んで急速に進化しています。

 

メガバンクなどの国内金融機関は、実は海外金融機関との戦いに備えているのです。

だから、銀行は国内外のフィンテック企業側とコラボし、自らの戦略を強化しようとしているのです。

 

 

これが金融機関とフィンテック企業の、現実に起こっていることです。

そうでなければ、LINEがみずほ銀行と組むでしょうか。

 

 

5.銀行の危機意識は十分に高い

銀行は国内マーケットの伸び悩みから、早くから戦場を海外で拡大しています。

 

もちろん他の業界も海外ビジネスはやっているでしょう。

ただ銀行はかなりの規模で海外市場に進出しており、かつ、とても順調なのです

三菱UFJフィナンシャルグループは、数年以上前から海外からの収益の割合が拡大しており、融資の残高が国内分を超えているとも言われます

 

日本で最も融資残高が多い三菱UFJが、それと同等、もしくはそれ以上の融資先を海外でも獲得できているということです。

 

 

積極的にアメリカやアジアの銀行を買収しており、着実に国内マーケット縮小という不安要素をカバーしています。

 

 

比較は難しいですが、ここまで海外ビジネスが順調な業界が日本にあるでしょうか

 

むしろ海外で働きたい方は、是非総合商社か金融をオススメします。

金融業界は「危機感を持っている」と言っていながら、相当なスピード感で対応を強化しています。

 

 

「危機感あるんだ?やばいのかな」というのは単純すぎる思考です。

一体どれだけの国内企業が、本当に金融機関ほどの危機感を持ってやっているのでしょうか

 

 

6.銀行の仕事だけがきついのか

 

銀行は、国内営業であれば本当にノルマがあり厳しい世界です。耐えきれずに辞めていく人も大勢います。

 

 

そんな人達が大勢「銀行はクソだった」と言って、最近の世論に乗っかって銀行をけなしていますね。

 

 

しかしノルマは銀行しかないでしょうか。

きつい営業、細かな事務、厳しい指導、熾烈な出世競争は銀行だけでしょうか。

 

 

銀行を辞めた方は、公務員だったり、自営で活躍されている方が多いです。

そもそもノルマや厳しい指導がないような業界に転職しています。

こういう転職や価値観を否定はしません。ただ、こういう方々は、そもそも銀行じゃなくても、電機メーカーでも辞めていたんじゃないでしょうか。

 

 

銀行だけが厳しいとは思いません。世の中の誰もが、厳しい世界で一生懸命働いていると思います。

 

銀行員としてさまざまな企業の経営を見てきました。

経営は難しいです。経営者は自分の会社の資金繰りを常に心配しています。売り上げで常に頭を悩ませています。

毎月の月末には資金がきちんと決済されるのか。売り上げが立つのか。入金が間に合うのか。

この契約がとれなかったら、資金が行き詰まるかもしれない。その場合は銀行は追加融資に応じてくれるだろうか。親の実家の土地を担保に入れるしかないかもしれない。

 

こんなプレッシャーを想像できますか。

 

 

これは創業3ヶ月の話では無いのです。10年20年の企業の社長でも、多くの経営者達が考えられないプレッシャーの中で何とかビジネスを継続しているのです。

「自分で事業やるのが楽しそう」との考えは否定しません。ただし経営者の苦悩やプレッシャー、苦悩に耐える覚悟がありますか

そのプレッシャーと銀行の営業のプレッシャーは、どちらが楽ですか。

 

 

 

7.銀行の業務は、日本でも随一のレベルでグローバル

 

前述した通り、銀行、特に都銀はかなりグローバル化していますので、本当にダイナミックな仕事が出来ます。

 

出来ていないという方は、そもそも国内支店での営業を望んでいて、本店や海外を希望していない方々です。

 

 

日本経済をどうサポートするのか。どう海外と戦っていくのか。

国内の大型M&Aや、大口のプロジェクトファイナンスなど、ダイナミックな仕事がたくさんあります。

人間がいる限り、また企業がある限り、お金はなくなりません(ビットコインの話がありますが、お金が変わるだけで資金ニーズがなくなるわけではないです)

 

 

もちろんクラウドファンディングなどで資金調達手段が多様化している部分があることは忘れていません。

ただ、絶対に専門家が必要なレベルがあるはずです。

インターネットが発達し何でも調べられる時代でも、医者がいらなくなると思いませんよね。

 

 

8.リストラがあった事実はない

「メガバンクが大量のリストラを発表した。」

こんなニュースが多いですが、銀行は今のところリストラを発表しているわけではありません。

1万人分の業務コストを削減する」と言っているだけです。

 

 

フィンテックやロボティクスなどによって業務を自動化すると言っているだけで、「1万人クビにします」と言っているわけではありません

 

自動化に置き換えられた業務をしていた行員はどうなるのか。

銀行業務は海外ビジネスや規制対応など、人手が足りていない業務が山ほどあります。

 

自動化したからといって、何万人分もの仕事がすぐになくなるわけではないのです。むしろ無駄な業務へのコストが軽減され、その分必要なビジネス拡大へ戦力を拡充出来るかもしれません

 

 

現状リストラされている話はありません。

銀行員の転職が増えているのは事実だと思いますが、そもそも最近転職が増えているからであり、銀行員の転職者が突出して増えているわけではないはずです。

 

 

9.おわりに

国内の企業は、どの業界でも先行きの不安や、色んな問題を抱えています。

 

銀行だけが厳しいわけではありません。

 

 

高級や安定、エリートなどの代名詞を独占してきた銀行。

そんな銀行の経営が危ない。

そんなニュースは確かにウケるでしょう。

 

 

ただ、みなさんはこんな感情だけのニュースに惑わされて欲しくありません

特に今現役の銀行員の方々は、甘い言葉で簡単に辞めて欲しくないのです。

 

 

本当に銀行だけがヤバイでしょうか。

本当に辞めたら欲しかった生活が手に入りますか。

イメージだけに扇動されていませんか。

 

隣の芝は青く見えますよ。

人間は弱く、甘い言葉で騙されやすいです。もう一度、冷静になってください。

 

それでも辞めたい、そう思えばその道に進んでください。

僕は熟考の末に辞めましたが、銀行が悪いとは今でも思っていません。

銀行への過度に偏ったイメージが修正されることの一助になれば幸いです。

 

終わり

 

 

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